ふりむいてよキャプテン
どうでもいいことをほんの少しだけ話しただけだ。
それだけのことで、どうしようもなく嬉しくて。


私の彼氏は、私を好きでいてくれるのはにっしーだけど。

そっけなくても、他に好きな人がいても、私の好きな人は。


「今日時間大丈夫?
ちょっと寄り道していってもいい?」


どうしたって、はっきりと、確実に小野くんなんだ。


自転車のハンドルを握りしめ、信号の赤い光だけを見つめて、にっしーに話しかける。


「今日?全然いいよ」

「ありがとう、話したいことがあるんだ」


もう、これ以上隠せないよ......。

信号の青い光を見ながら、返事をした。
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