ふりむいてよキャプテン
文化祭二日前。

いよいよ準備も最終段階に入り、今日明日は午後の二時間、五時間目六時間目をまるまる使って文化祭準備に当てる。


「あみ、テープとってー」

「はいはい、どうぞ」


同じ通路作りの作業をしていたまるちゃんに手元にあったテープを渡す。


うちのクラスはお化け屋敷をすることになっていて、今私は迷路......らしきものを作っている。

今まで部活ばかり行っていたから、少ししか作業に参加してないので、じっくりとりかかるのは今日が初めて。


それはバレー部のまるちゃんも同じらしく、ゆっちに作業内容を聞きながら、私たちは作業を進める。


「それなら、まるちゃんは年上派なんだ?」


話しながらやっていたら、なんとなく恋の話になっていた。通路をテープでとめながら、横目でまるちゃんの顔をみる。


軽く巻かれた茶髪に、少しアイラインの入った細い目。
美人というタイプではないけど、いつも笑っているみたいな目をしているし、雰囲気が可愛いんだ。

いつのまにか私のことも呼び捨てで呼んでたりするくらいの気さくな性格だし。

完璧な美人よりも、男子が好きになるのはこういう子なんじゃないかな、と思う。

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