ふりむいてよキャプテン
いや!かっこよくないっ!

だって、エラー三回とかしちゃう小野くんだよ?
三日でキャッチャーやめちゃうんだよ?
しかも、プロペラとか言い出すし。

全然かっこよくないよっ、話しかけることなんて簡単なはず。


うん、いけるいける。
がんばれ、私!


「あ......今日部活休みのひとっていたっけ?
ほら、日誌書かなきゃいけないから」

「......いないんじゃない?」


なんで俺に聞くんだと怪訝な顔で見られた後に、小野くんは無言で部室を出ていった。


......やっぱりだめだ。


だって、かっこいいんだもん。

真っ黒に焼けた肌とか。
その腕が筋肉質なところとか。
ちょっとキツそうな顔立ちも。

全部、全部、私のタイプなんだもん。





......はぁー。
なにやってるんだろ私。


作戦その二、失敗。
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