ふりむいてよキャプテン
「このクラスじゃなくてー、野球部の一年生のミッチー」

「ミッチー?誰それ?」

「もう!なんでマネージャーなのに知らないの!?
三浦健人くんだよ」

「三浦健人?知らない。
まだ一年生の名前覚えてないからなぁ......」


ゆっちのテンションの高さに、噂の人物が分からない私は完全についていけてない。


野球部に一年生は入ってきたけど、十五人も入ってきたうえ、まだ一週間。

顔も名前も一致しない。にしても、そんなにゆっちが言うほど私のタイプの子いたかな?


「それよりも、なんでゆっちが知ってるの?」

「あたしのイケメンレーダーなめないでよ?
もうねー、あたしのタイプではないんだけどね?なんかね、すっごくいいの。あみも見たら、絶対わかる」

「はぁ......」


うんうん、いいよね、とも言えずに、冷めた表情でゆっちに相づちをうつと、ゆっちはさらにヒートアップしていく。

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