ふりむいてよキャプテン
「この前保健室にいったときに、偶然ミッチーに会っちゃって。色々話してたら、LINE教えてって言われて......、つい教えちゃったんだよね」

「ええ?さすがにそれはヒロくんがかわいそうだよ......。せめて別れてからにしなよ......」


好きになっちゃったなら仕方ないけど、野球部の一年生だという三浦くん。

先輩であるヒロくんの彼女を盗った、なんてことになったら、この先部活の中でどんな目にあうか。とゆっちをとがめると、人の気も知らずに、えへと笑って。


「ってとこまで妄想しちゃった」


語尾に星でもついてるかのようなかるーいノリ。

妄想ですか......。
彼氏いても、妄想は自由だもんね。


「妄想なら最初から妄想っていってよ......」

「ごめんごめん、とにかくー。ミッチーチェックしといてよ?三浦健人くんだからね」

「はいはい、三浦健人くんね。
チェックしとくから」


相変わらず朝からテンションの高いゆっちに若干ひいていると、またミッチーとやらをゴリ押ししてきたので、適当にうなずいておいた。


いったい、ゆっち推しメンの三浦健人くんはどんな人なんだろうか。窓の外を見て、気が早くも部活に思いをはせながら。
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