ふりむいてよキャプテン
「スコアどころか、あいつらポジションの名前も言えねぇじゃねぇか。いったいお前は今まで何を教えてたんだ」


試合終了後、呼び出しをくらった私は体育教官室で高田先生と二人きり。


「その、教えたんですけど......」

「だったら何でなにひとつ知らねぇんだよ。
あいつらがスコア書けないのは、お前の責任だぞ。
いいか、お前のミスだ。分かってるのか?」

「......はい、分かってます。
すみませんでした」

「分かったなら、これからきっちり指導しとけ。
分かったな!」


こってり先生にしぼられてから、最後に先生にペコリと頭を下げて失礼しましたと震える声で教官室を出てきた。


私が、悪いの......?
聞く耳もたない先生に一瞬いらだちを感じたけど、すぐにそれは違うことに気づいた。


先生に言われたように、これは私のミスだ。
後輩マネージャーの指導は、私の仕事。

どんな事情があったって、きっちり教えておかなきゃいけなかった。出来なかったのは、どんな言い訳したって私の責任だ。
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