ふりむいてよキャプテン
「あみ!マジでごめんっ!本当に反省してます!
どうすれば許してくれる?」


廊下にまで私を追ってきて、捨てられた子犬のような目で必死にすがりつくにっしーがなんだか少しかわいそうになってきたけど、でも。


「......離して」


やっぱりまだ許す気にはなれなくて、つかまれた腕を冷たく振り払った。


「あみ~、確かに昨日のはにっしーがバカだったと思うよ?でも十分反省してるみたいだし、そろそろ許してあげたら?」


うなだれたにっしーを置いて、私たちのクラス二年五組廊下の突き当たり図書室の方にむかうと、さらにその私を追ってくるゆっち。


分かってるよ、にっしーだって悪気があって言ったわけじゃないだろうし、あんなに謝ってくれてるんだから、ここまで怒ることじゃないって。

だけど、ショックだったんだ。
にっしーはきっと、私にとって最後の砦だったから。


みんなみんな後輩マネばっかりで、でもそれでもにっしーだけはって信じてたから。

冗談でも、そんなつもりじゃなくても、ショックだったんだよ......。
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