ふりむいてよキャプテン
「今日はしずかちゃんは休み?」
ほうきをはく音と、雨の音だけが聞こえるシーンとした部室のなか。
いつものにぎやかな二人の話し声が聞こえないと、それはそれで調子が狂う。
「しずかは部活やめるみたいです。
また改めて挨拶にくるって言ってましたけど、なんか親が厳しくって、毎日帰るのが遅すぎるって怒られたみたいで」
たしかに野球部やってると、毎日家に帰るのが遅くなるうえに、土日もほぼ部活で勉強する時間もほとんどとれない。
家庭の事情なら仕方ないけど、じゃあこれからさほちゃんと二人きりか......。こんなこと思っちゃダメだけど、ちょっと気が重い。
また無言で床に落ちているゴミを拾っていると、ふいにさほちゃんが手をとめ、顔を上げた。
「あの......、今まですみませんでした。
さほ、これから一生懸命やります」
「......?
どうしたの、急に」
一生懸命やるのは願ってもないことだし、ありがたい。
だけどいきなりこんなことを言い出して、いったいどうしたんだろう。私もさほちゃんの顔を見ると、やっぱり元気がなくて。
ほうきをはく音と、雨の音だけが聞こえるシーンとした部室のなか。
いつものにぎやかな二人の話し声が聞こえないと、それはそれで調子が狂う。
「しずかは部活やめるみたいです。
また改めて挨拶にくるって言ってましたけど、なんか親が厳しくって、毎日帰るのが遅すぎるって怒られたみたいで」
たしかに野球部やってると、毎日家に帰るのが遅くなるうえに、土日もほぼ部活で勉強する時間もほとんどとれない。
家庭の事情なら仕方ないけど、じゃあこれからさほちゃんと二人きりか......。こんなこと思っちゃダメだけど、ちょっと気が重い。
また無言で床に落ちているゴミを拾っていると、ふいにさほちゃんが手をとめ、顔を上げた。
「あの......、今まですみませんでした。
さほ、これから一生懸命やります」
「......?
どうしたの、急に」
一生懸命やるのは願ってもないことだし、ありがたい。
だけどいきなりこんなことを言い出して、いったいどうしたんだろう。私もさほちゃんの顔を見ると、やっぱり元気がなくて。