ふりむいてよキャプテン
「ふーん。ま、せいぜいがんばってよ」



しどろもどろに言い訳する私に、ヒロくんは大げさにため息をついて、みんなのいる方向に歩いていった。

やなやつ!立ち去りかたまでかっこつけてる。


本日二回目のやなやつと心の中で一人叫んでから、隣を見上げると小野くんの存在に気づく。


あ、そういえば、小野くんいたんだ。
完全に存在忘れてた。


ヒロくんにボッコボコにやられてた私に、小野くんはフォロー入れることもなく、一緒になってダメマネージャーとけなすこともなかったから。

......ある意味無言が一番つらい。



「小野くん今日の試合......」



あっ......、何か声をかけようと口を開いてる途中で、小野くんもみんなのいる方に走っていってしまった。
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