ふりむいてよキャプテン
盗塁して二塁へいったにっしーを、二番バッターが犠牲バントで送って、三塁まで進める。

そして三番のいつき先輩がフォアボールで一塁に出塁して、ワンナウト一、三塁。


次は四番はライトの......あれ。

そうだ、さっきの回の守備で、先輩が捕球したときに負傷して小野くんに代わってたんだ。


せめてゲッツーにはならないようにしてくれるといいけど。

にっしーが盗塁王なら、チャンスをつぶす王獲得間違いなしの小野くんがバッターボックスに入るのを見て、こっそり失礼なことを思った。





「セーフ!」


塁から離れて強気なリードの一塁にいるいつき先輩に、ピッチャーが三度目の牽制球を投げる。


それにしても、いつき先輩リード大きすぎるんじゃ......。


小野くんが、ワンストライクツーボールになっている間にも、いつき先輩は盗塁しそうなそぶりを何度も見せるけど、それでいてなかなか二塁に盗塁しようとしない。

いったい何がやりたいのか......。

< 405 / 604 >

この作品をシェア

pagetop