ふりむいてよキャプテン
七試合目 チームワーク

痛い青春

9月、第一週目の土曜。

二学期が始まって、最初の休日の今日は夏休み明け初めての練習試合。夏休み最後にオフ三日間とかあったりしたから、久しぶりの試合だったりする。


「はい、ボール入れといて」

「うん、ありがとう」


試合終了後、今日の一試合目のウイニングボールが、キャプテン小野くんによって、机の上にポンッと置かれる。


小野くんとは夏休み最終日にあんなことがあったにも関わらず、今までと全く変わらない。

あの日私を抱きしめてくれた小野くんは影武者だったんじゃないかって思うくらいに、相変わらずの鉄仮面っぷり。


本物だとしても影武者だとしても、はっきりフラれて逆にすっきりしたっていうのもあるし、小野くんが普通にしてくれているからこっちもやりやすいのもあるし。

そこらへんは本当にありがたい。




さて、先生に二試合目のメンバー聞きにいかないと。

小野くんに渡されたウイニングボールを、試合前のシートノック用の箱に入れてから、部室を出た。





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