ふりむいてよキャプテン
「一番内心ギリギリしてるの、あみだったりしてー」

「ま、まさか。なんで私が」


もちろん冗談だよ?とニッコリと笑うこの親友はきっとなにもかもお見通しだ。

イケメン大好きでノリは軽いのに、妙に勘が鋭いとこが時々こまる。

私の心、読まないでよ......。


「そういう探りいれるのやめてよ」

「ごめんごめん。あみとにっしーもだけど、小野くんとにっしーも話してないみたいだよね。ヒロから少し聞いたけど、まだ仲直りしてないの?」

「うーん......、あの二人のことは私もよく分からない」


いつも一緒にいたにっしーと小野くんも、クラスでも今はそれぞれ別の人といる。

部活中だって、キャッチーボールの相手とか、不自然なまでにお互いを避けてるし。


お互い謝るタイミングがないのかもしれないけど、キャプテンと副キャプテンがこんなことで大丈夫なのか......。

にっしーに関わらないとか言い放った私が言えることじゃないけど......。


なんだかもう小野くんに振られたことがどこかに飛んでいってしまうくらいに、問題が山積み。

さほちゃんとにっしーを見ないように、不自然なまでに窓の外を見たまま、こっそりためいきをついた。
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