ふりむいてよキャプテン
「ひかないよ。
むしろ、嬉しいんだけど......」


にっしーに腕をひかれて、ポスッとにっしーの隣に座らせられる。そしてまだ私の腕をしっかりつかみながらも、にっしーは照れたように顔をふせた。


「なんで?だって、私の好きな人は小野くんだよ。
にっしーじゃないよ......」

「いいよ、そんなの知ってる。
それでもいいから」

「......にっしー腕冷やさないと。
けがしたんじゃないの?」


照れたように笑っているにっしーに反応に困り、ボールが当たったという彼の右腕をつかむ。


「ああ、これたいしたことないからへいき。
ちょっと当たっただけなのに、高田っちが保健室行けってうるさいから来ただけ」

「そうなの?
じゃあ、こうしても痛くないの?」

「......そんなに強く掴んだら痛いよ。
力強すぎ」


少し強めににっしーの右腕をつかむと、顔を歪ませるにっしー。
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