ふりむいてよキャプテン
「ショートォ!声出てねぇぞ!」



私が渡したボールを次々に内野の選手たちの方に打つ佐藤先輩。

内野は打つ人から近い方を守る人たちで、外野は遠い方を守る人たち!だったよね、たしか。



「しっかりしろ、サード!」



ふぅ......。
やっぱり佐藤先輩、今日もかっこいい......っ。

 
必死にボールを追いかける内野手たちに、ボールを打つ佐藤先輩。

真剣に野球をやっている人たちばかりが集まる場所で、わたしは一人場違いにも佐藤先輩に見とれる。

    
そう、佐藤先輩。
三年生で野球部キャプテンのこの人こそが私が野球部に入った全ての理由だった。



始まりはあの日......。

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