ふりむいてよキャプテン
「......いや、やっぱダメだ。
あみはマサのことが好きなのを知ってたのに、俺最低だ」

「もういいよ、小野くんのことは。私ね......」


完全に自責の念にかられちゃっているにっしーの言葉にかぶせるようにそう言って、にっしーの右手を両手で握った。


小野くんに全く未練がないか、と聞かれたら、たぶんまだあるんだろうけど......。


それでも、私はあの時、小野くんよりにっしーを選んだんだよ。


部室だってそうとう心配な状況で、小野くんだってほっとけない状況だった。

それでも、私はあの時小野くんのそばにいることよりも、にっしーのそばにいきたいと思ったんだよ。

それで気づいたんだ、私はいつのまにかにっしーのこと......。


散々にっしーを傷つけてきた私が今さら何を言っても信じてくれないだろうし、自分でもまだ信じられない。

だけど、今ならきっと、もう、間違えない気がするから......。
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