ふりむいてよキャプテン
「ありがとう。大学も決まったし、彼女もいなくてさみしいクリスマスだから、しごきにきたよ」
「あはは、しごいてやってください」
しごきにきた、と口では恐ろしいことを言いながらも、楽しそうにノックを打ついつき先輩に笑顔を返した。
「新しいキャプテンはどう?うまくやってる?」
しばらく外野ノックをしながら世間話をしたあとに、ふいにいつき先輩がそんなことを切り出した。
返答に困っている間に、外野手のおねがいします!という声が聞こえて、いつき先輩がノックを打つ。
「うーん......、微妙な感じですね......」
毎日顔を合わせて、一緒に同じ目標を追いかける仲間。
みんなだって、いつまでもお互いに無視したりイヤミ言ったりするほど子供ではない。
だけど、あの日、今まで各自が内心思っていた不満やらなんやらが爆発してしまったわけで。
そう簡単に、あのときは悪くいったけどさ、気にすんなよーまた仲良くやっていこうぜ、というわけにもいかない。
だって、あの日のお互いへの悪意は紛れもない本心なんだから。
いつまでもギスギスしているわけではないけど、心をひとつにというほど仲良くはなれない。
小野くんは小野くんで、キャプテンとしてがんばってはいると思うけど、なんか......頼りないというか、もう少ししっかりしてほしいというか......。
そう、まさに微妙な感じなんだ。
「あはは、しごいてやってください」
しごきにきた、と口では恐ろしいことを言いながらも、楽しそうにノックを打ついつき先輩に笑顔を返した。
「新しいキャプテンはどう?うまくやってる?」
しばらく外野ノックをしながら世間話をしたあとに、ふいにいつき先輩がそんなことを切り出した。
返答に困っている間に、外野手のおねがいします!という声が聞こえて、いつき先輩がノックを打つ。
「うーん......、微妙な感じですね......」
毎日顔を合わせて、一緒に同じ目標を追いかける仲間。
みんなだって、いつまでもお互いに無視したりイヤミ言ったりするほど子供ではない。
だけど、あの日、今まで各自が内心思っていた不満やらなんやらが爆発してしまったわけで。
そう簡単に、あのときは悪くいったけどさ、気にすんなよーまた仲良くやっていこうぜ、というわけにもいかない。
だって、あの日のお互いへの悪意は紛れもない本心なんだから。
いつまでもギスギスしているわけではないけど、心をひとつにというほど仲良くはなれない。
小野くんは小野くんで、キャプテンとしてがんばってはいると思うけど、なんか......頼りないというか、もう少ししっかりしてほしいというか......。
そう、まさに微妙な感じなんだ。