ふりむいてよキャプテン
「まるちゃんと宮崎さんどっち選ぶかって言われたら、何の迷いもなく、はっきりと、まるちゃんなんだ」


何の迷いもなく、はっきりと、って二重強調ですか。

せめてどっちかひとつにしてほしかった。


そんなことわざわざ言われなくても分かってるけど、さすがに口に出して言われると再起不能になりそう。


なんなのもう。
わざわざ私にとどめをさすために、戻ってきたのか。


「分かってるよ、そんなこと。
わざわざそれ言いに戻ってきたの......?」

「違うよ、俺の好きな人はまるちゃんで、それだけははっきりしてるし、さっきもあのまま帰ろうと思った。

でも、あのあと宮崎さんがどうしてるのか気になって、そのことが頭から離れなくて。一度は置いていったんだから、戻っちゃだめだって分かってたけど、気づいたら戻ってきてた」


......。

よく分からないけど、同情して戻ってきてくれたってこと?

そうだよね、私は小野くんが好きって告白したんだし。
あの場で一人にされた私がかわいそうだと思ってくれたんだよね。

小野くん、優しいから......。

全く興味もない私のことも、責任感で見捨てきれなかったんだ。
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