ふりむいてよキャプテン
「ああ、俺があみと付き合ってたって知ってるから、一応気を使ったんじゃない?
それにしても、普通先輩の元カノって時点で遠慮するよね。あいつ度胸あるよ」

「ミッチーって、普通じゃないから......」


怒っているというよりも、むしろ感心したようにそう言ったにっしーに全力で同意。

タメの部員の元カノでもちょっとどうかと思うのに、先輩の元カノとかかなりチャレンジャーだよね。


私だって、同じ部内で元カレの親友なんて、自分でもどうかといまだに思ってるし.....。小野くんだって、それがあるから、余計私に対して引いてる部分もあると思う。

にっしーがいいよって強く言ってきてくれたからいけただけで、そうじゃなかったら絶対告白さえできなかった。


「だけど、ミッチーは私とにっしーが付き合ってたって知ってたんだね。誰かから聞いたのかな?」


俺が言った、と気まずそうに目を伏せるにっしーに、なんで?とさらに聞き返す。


「なんでって......まぁ......。
......ダメだった?」

「ダメじゃないよ、本当のことだし。
ただ何で言ったのかなって、思っただけ」


部内恋愛だったし、一年生にも伝わっていてもおかしくはないけど、にっしーが自分からわざわざ言いふらすとも思えないし。

なんでミッチーにはわざわざ言ったのかな、と純粋に気になったから聞いたんだけど、なんだかにっしーは歯切れ悪くテニスラケットを握りしめている。


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