ふりむいてよキャプテン
「えっ!いいの?」

「うん、ちょうどいなかったらの話だけどね」


そう、もしもタイミングが合えばの話だ。

タイミングが合ったとしても、その時私がにっしーや小野くんにピンとこない可能性もあるし、逆もしかり。

先のことなんて誰にも分からないし、私が今後小野くんと付き合う可能性もにっしーと結婚する可能性もなきにしもあらず、としか今は言えない。


「そっか......。あみは、この部活入って良かった?」


けれど、ちょっと自信なさそうに聞かれたその質問の答え。それだけは、はっきりしている。


「もちろん」


二回戦敗退で、甲子園なんて夢のまた夢。
他の地区からしたら、どこそこ?ってレベルの高校だと思う。

誰の記憶にも残らない、新聞にも載らないようなチーム。


でもね、私は自信をもっていえるんだ。

このチームこそが、私の一番大好きなチームで、人生で一番記憶に残るチームだって。



私の答えを聞いて、にっしーが嬉しそうにした瞬間。
今日の第三試合目が行われている私たちの後ろの球場からは、ホームランでも入ったのか大歓声が聞こえてきた。





おわり.......?


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