ふりむいてよキャプテン
タメだからか遠慮がない一年生と違って、先輩は気を使ってくれる人も多い。けど、ここまではっきりと私を女の子扱いしてくれるのは、にっしーといつき先輩くらいだ......っ。


ヒロくんみたいにこきつかわれるのも嫌だけど、これはこれで照れる。


恥ずかしくなって急いで出てきたから、せっかく先輩にもらったいちごオレを、カバンの中に適当に入れてきちゃった。

ぐちゃぐちゃになってないかな......、あ。


にっしーから頼まれたハイヤーの歌詞、先輩に渡すの忘れた、と気づいたのは帰り道を半分ほどいったところ。

おまけにいちごオレまで、つぶれちゃってる。

......あわてるとろくなことがない。



そろそろ暑くなりはじめて、サンダルも履きたくなるようなじめっとした雨上がりの土曜。

初めての大会と、三年生引退の時期が近づいてきた、そんな土曜。









< 66 / 604 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop