ふりむいてよキャプテン
「すみません、掃除するのでそこいいですか?」

「あ、すみません」



ほうきをもって、ベンチを掃き出したマネージャーさんを避ける。

......いつまでも人のベンチで感慨に浸ってる場合じゃなかった。私も掃除しなきゃ。


まだ興奮がさめないまま、自分たちが使ったベンチを掃除して控え室に戻ると、キャプテンをはじめ何人かの三年生の先輩が泣いていた。


......そっか。私たち一年生や二年生はまだ次があるけど、三年生にとっては今日が最後の試合だったんだね。


もう今日で三年生の先輩たち引退しちゃうんだ。
短い間だったけど、もう先輩たちが明日からはいないと思うとさみしいな。


キャプテンも、いなくなっちゃうんだ......。
せっかく同じ部活に入ったのに、結局緊張してほとんどしゃべれなかったな。







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