ふりむいてよキャプテン
まだ次の試合があるため、控え室を早く開けなきゃいけなかったので、学校に戻ってから、先生の話とキャプテンの最後の挨拶が行われた。


それも全て終わり、部室に戻ってからの先輩たちは意外と切り替え早く、談笑しながら、自分の荷物の整理なんかをしたりしている。


ああ、キャプテンがいなくなっちゃう......。

学校ではもしかしたら会えるかもしれないけど、このままおつかれさまですと帰れば、きっともう話す機会なんてほとんどない。


好きというよりも憧れだったから、告白するのは違う気がするけど、でも最後に何か一言でも話しておきたいな......。


でもみんないるし、ほとんど話したことない三年生のキャプテンに話しかけたら、変に思われるよね。


いや、私マネージャーだし、最後にキャプテンに挨拶しても変に思われないはず......やっぱり変かな。

......いいや、もう変に思われても。よしっ!



「あ、あああの!佐藤先輩、ちょっといいですか?」

「ん?いいよ」



勇気を出して話しかけると、キャプテンは荷物を整理する手を止めて、部室の外に出てくれた。
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