【完】幸せをくれたあなたに。
この人1人いるだけで恐ろしいっていうのに……。
さっきのを思い出して、またそう思う。
どうなると思ってるの。
「んー、あっ! んじゃあ、こんなのどう?」
「……ん?」
────……
────────……
「ぐふっ……。案外似合ってる……ふふっ」
「ちょ、笑わないで」
やばい。
これはだめ。
隣で歩く遥生くんの格好は、怖い鬼の面をつけ、黒のマント……。
さすがに、遥生くんだとさっき追いかけてきた女子も、誰も遥生くんだとわからない。
だけれど、笑いを堪えてる人など、さっきとは違う視線を感じていた。
これを提案したのは遥生くんだ。