【完】幸せをくれたあなたに。



「骨は折れてないし、軽い傷で済んだけれど、ほんとに気をつけなさいよ?」

心配して私の足を見る先生。


「はい。ご心配をおかけしました。失礼します」


保健室の扉を閉め、重い足取りで教室に向かう。


ああ、ほんとに最悪だ。

教室のドアを開ければ、みんなの視線が痛い。


先生は

「おお、三浦。大丈夫だったか?」

なんて聞いてくる。


どんなふうに先生に言ったかは知らないけれど、周りはコソコソしながら笑っていた。


「なにアレー。ジャージだよ。ダッサ」

「元からダサいのに、またダサくなんの?」


私はそんな周りの声を無視し、

「はい。大丈夫です」


と、伝え席に戻ろうとした。

私の席は1番後ろ。


後ろに行こうとすれば

「うわっ!!」


誰かに足を引っ掛けられた。

つまずきそうになると、またみんながクスクス笑いだす。


だけど、私はそれでも無視し、席に座った。



そして、放課後……。



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