【完】幸せをくれたあなたに。
嵐の転入生
「はあ……」
涙なんか出てきた……。
すうっと頬流れ落ちる冷たいもの。
だけれど、それは見えない。
ああ、またやってしまった……。
外が暗くなってしまって見える範囲が狭い。
今日もここにいようかな……。
下から声が聞こえる。
片付けで騒がしい。
もう……いいや……。
と、その時
──バンっ!
屋上のドアが勢いよく開いた。
ビクッと跳ね上がる肩。
「……三浦さんっ!」
この声は……、松井くん?