【完】幸せをくれたあなたに。
「そんなムキになんないでよ」
クスクスと笑う松井くん。
「ムキになってなんか……っ」
「まあまあ。んじゃ、メガネ返してもらうからその代わり……」
その代わり……?
松井くんはメガネを私の手から取ると、私を立たせた。
「こうさせて?」
「え? ……わっ!」
なななななな、なんで!?
なぜか私は、お姫様だっこをされている。
真っ赤になった私に
「どうせ、目が見えないくせに……」
この体勢のせいで、顔が近い。
そのため、松井くんの声が耳元の近くで聞こえる。
「な、なんか……エロいよ……っ」
カアア……っと赤くなっていく頬。
「感じてるの?」
「ま、松井くんの変態!!」
クスクスと笑う松井くんの声が止まらない。
恥ずかしすぎて、心臓が持たないよ……。