【完】幸せをくれたあなたに。
「三浦ー、松井ー。ちょっといいか?」
先生が、私と松井くんを呼び出した。
「なんですか?」
私が聞くと先生は、
「ああ、お前ら委員長だろ? 今日な、頼みがあってだな。このプリントを全部ホッチキスでまとめて資料室に持って行ってくれないか?」
「はい、わかりました」
そう答えて、松井くんと気まずい空気の中、教室でカチカチとホッチキスで紙を留める。
静かな教室。
普通なら、なにか話さなきゃなんて思うのだろうか。
私には全然思えない。
だって、話す必要がないから。
そして、最後の1枚を私が手に取った。
カチッと静かな教室に最後に鳴り響いたホッチキスの音。
次は資料室に持っていかなければいけない。
そして、松井くんが初めて
「資料室に行こっか」
私に声をかけた。
私は首を縦に振り、頷いた後2人でちょうど半分ずつ持った紙を歩いて資料室に向かった。
日も暮れてきて、だんだんと暗くなってきた外。
そして、私の目の見える位置もだんだんと狭く、見えづらくなってきた。
やばい……。
そう思っていると