【完】幸せをくれたあなたに。
昼休み、毎日一緒に昼ごはんを食べる私たちは、麻紀が先に裏庭で場所をとってくれていた。
雪くんと私は、少し遅れて裏庭についた。
最近転ける私。
違和感をもつようにもなっていた。
だから、私はお母さんに相談した。
「ねえ、お母さん。最近暗いところが見えづらくなるんだけど……」
そう言うと、お母さんは
「確かによく転けてるわね。病院行ってみる?」
行ってみたほうが……いいよね。
私は次の日の放課後、お母さんと一緒に病院に行った。
「琴さんは、恐らく“網膜色素変性症”というものでしょう」
「……網膜色素、変性症……?」
聞いたことのない名前で、怖くなって聞き返した。
「ええ。これは、先天性でしょう。遺伝子が原因ですが、お母さん方がそうではなくても、なるものです」
そんな……。