【完】幸せをくれたあなたに。
「うっ、わ!!」
持っていた紙を全てバラバラと散らばってしまい、私はなにもないところでつまずいてしまった。
今日トイレで滑って落ちた時の足に当たりズキズキと痛みがきた。
松井くんは不思議に思っただろうか?
なにもないところでつまずくなんて。
「大丈夫?」
松井くんは私に手を差し伸べてくれた。
でも、私はすぐにその手をに掴むことができなかった。
だって、それは掴んでしまえばいつかこの人を信じてしまいそうになる、そんな気がした。
でも、それでもずっと差し伸べてくれる手に私は掴んで立ち上がった。
そして、2人で散らばった紙を拾った。
「紙貸して? 三浦さん危なっかしいから俺が持つよ」
松井くんに紙を奪うように取られた時、もう資料室の前までいた。