【完】幸せをくれたあなたに。




「琴ー! お昼行こ?」


昼休みになって、麻紀がいつものように話しかけてきた。


「うん……」

私はそれだけしか、返せなかった。


雪くんも、

「琴、どうかした?」


そうやって、心配してくれる。


迷惑かけてることなんて、わかってる。

だけど、不安で仕方ないの。


昼ごはんを食べている時、2人は私に話しかけてこなかった。


気を、遣わせてるんだ……。


ほんとは、迷ってる。

2人に病気のことを言おうか……。



でも、そんなある日

「琴。ちょっといい?」


麻紀に呼び出された。


「うん」

そう言って、麻紀のあとをついていった。


そこは、いつも昼ごはんを食べている裏庭。



「琴」

真剣な顔つきをしている麻紀に大して、私は緊張しながら、次の言葉を待った。




「私……ゆっきーが好きだよ」




………え?


「琴は、どうなの……?」


私……?


「私は……」


私は……。








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