【完】幸せをくれたあなたに。





「………友だちだと思ってるよ」


なに……?


「ほんと?」


なに言ってるの、私……。


「……うん。当たり前でしょ」


当たり前……?


ウソ。

どこが……?


あんなに、好きなくせに。



だけど、私は……雪くんを好きになったところで今の私には、どうにもなんない……。


見えなくなってしまうかもしれないこの目。



意味がないから……。


それに、今更言い直したって、目の前で喜ぶ麻紀にどう言えって……?


わかんないよ……。



「ねえ、琴は?」

不意に、また尋ねられた言葉。


「えっと……友だちだ……」

「そうじゃなくて!」


いきなり、大きな声を出した麻紀。

「え?」

思わず、聞き返すと


「私は、これがずっと隠してたことだよ……? でも、琴は? 最近変だよ? なにを隠してるの……?」



「……っ」






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