【完】幸せをくれたあなたに。
ちょうど、学校にも自信を持っていけるようになっていた。
少しの不安はもちろんあった。
目の調子は、悪くなっていくばかりだけど、ずっと悪いだけじゃない。
時々、マシなときだってある。
しばらくは、暗さに慣れなくて、怖かった。
夜中に目を覚ませば、なにも見えないし、
遅くまで遊んだり、学校に居残りの時は、外は真っ暗でなにも見えなかったり。
電気がついていないと、つまずいて。
いつの間にか、傷も多くなった。
だけど、そこまで大きな事故はなかった。
でも、学校についた私は、少し違和感を覚えた。
周りのみんなが私を見てはコソコソと話す。
気のせいだと思い、教室に入った。
「麻紀、雪くん。おはよう」
「ああ。おはよ」
「おはよう」
私が挨拶をすれば、返ってくる返事はそのままなのに、おかしい……。
周りの視線が、私に集中してる。
おかしい……。
どういうこと……?
わけがわからなかったけど、ふと、耳に入った言葉。
「三浦って、目の病気なんだろ……?」
「病気とか、なんか……ねえ?」
え……?
まさか、これってみんな……
私の病気のこと……?