【完】幸せをくれたあなたに。
なんで……?
バっと2人を見た。
だけど、2人は“どうしたの?”って顔で普通だった。
でも、私……。
麻紀と雪くんにしかこのこと言ってないはず……。
2人が言ってないとしたら、なんでみんな知ってるの……?
恐くて……
恐くてたまらなかった……。
私は少し保健室で休んで、授業に出た。
だけど、授業に集中できるわけなかった。
隣の人の視線とか、怖くてたまらなかった。
少し、転けてしまえば、みんな同情してすぐ荷物を拾ってくれるようになった。
でも、そのあとは友だちと
「あの病気のこと、ほんとなんだ」
そう言う声が、私にまで聞こえてくる。
なるべく、麻紀や雪くんにしがみついていた私だけど、それさえも怖くなった。
だって……まるで私が“邪魔だ”って声が聞こえてくるから。