【完】幸せをくれたあなたに。
──ガラガラ……
古びていた、固いドアを松井くんは片手で開けた。
だが、私はその先を見ると固まった。
だって、真っ暗でなにも見えないから。
動こうにも、なにがあるのかわからず動けない。
松井くんはスタスタ歩いて紙を置いた。
でも、私は……
恐れながらも、松井くんに変に思われると思い、ゆっくりゆっくりと歩き出す。
その途端、物につまずいてしまった。
あまりのゆっくりさについ、転けてしまった。
松井くんは
「え、三浦さん!?」
少し慌てた声でこっちに近づいてくる。
どこ……?
全く見えない。
松井くんはどこ……?