【完】幸せをくれたあなたに。
──グイっ!!
「え!?」
突然、腕を引っ張られた。
でも、なにも見えなく、誰かもわからない。
「三浦さん。俺だよ。安心して」
この声は、松井くんだ。
でも、よくよく考えてみれば、ここには私と松井くんしかいないんだ。
………………え
てことは、2人っきり……?
それに気づいたとき、私は身体の震えが止まらなくなった。
私の頭の中でフラッシュバックする、あの最悪の出来事が……。
ああ、嫌……っ!!
やめて……。
もう、あんなこと二度となりたくない。
「ごめん。そんな怖がらないで。暗くて危ないと思ったから」
少し切なそうな声をしていた松井くんは、掴んでいた私の腕を離した。
そして松井くんは「もう遅いし、帰ろうか」と言って、1人ドアの方へと向かっていった。
だけど、