【完】幸せをくれたあなたに。




「おい、三浦」

担任が、私を見かけると声をかけてきた。


「はい」


「悪いが、ちょっと松井の様子見てきてくれんか?」


え……


「そんなっ! 無理です」


「アイツ、なにがあったかわからんか? 最近驚くほど豹変したしな」


そりゃ、突然変われば驚くのも無理ない。


「いえ、私もよく……」


なぜ、姿が一気に変わったのか、わからない。


私に姿がバレたから?


だから、元に戻したの?


でも、どうして雪くんは、あんなにも冷たい瞳をしていたのだろう。




「ま、とにかく頼むよ。委員長だろ? じゃあ、頼むな」


先生は、私に押し付けるようにして去って行った。

「えっ、ちょっ!」


はあ……。



これって、行くしかないの……?


よりによって、タイミングが悪い。




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