【完】幸せをくれたあなたに。
「……触ん、なよっ!」
でも、雪くんは私の手を振り払った。
あの時とは、全然違う。
気持ちも、態度も全て変わった彼。
──冷たい瞳……。
また私は、そう思った。
──君を変えたのは誰?
──君を変えたのはなに?
君の身体にある、わかりやすい痣は一体誰にされたの……?
聞きたいけど、聞けない。
聞きたいけど、知りたくない。
“なにがあったの?”
そう聞いたところで、なにになる?
私になにができる?
私は、なにもしてあげられない……。