【完】幸せをくれたあなたに。
「はる……きくん?」
ウソ……。
キスされる……?
なんで……
早く逃げなきゃ……。
わかってるのに、身体が動かない。
たす、けて……。
雪くんっ……!
「こいつに触んな」
上から降ってきた声。
なんで……。
「ゆき……くんっ」
なんで、私が怖くなった雪くんを呼んだのかわからない。
なんで、雪くんが本当に助けに来てくれたのかもわからない。
雪くんは、どうして来てくれたの?
あの後、すぐ追ってきたにしても、もっと早く見てたはず。
……じゃあ、どうして?