【完】幸せをくれたあなたに。
「……ごめん」
謝ってほしいんじゃない。
「……どうして、あのタイミングで助けてくれたの?」
「……あの後、ずっと頭ん中整理しててさ、追いかけようとしたら怖がってる琴がいたから」
「俺のせいだよな、ごめん」と、また謝る雪くん。
違うんだよ、雪くんのせいなんかじゃないの。
「なあ、琴。俺、実は知ってるんだ……」
──ドクンっ……
……なに?
まだ、なにも聞いてないのに怯えている私がいる。
嫌な予感がするよ……。
お願い。
そうじゃ、ありませんように……。
「中2の頃の出来事を──」