【完】幸せをくれたあなたに。
その時ふと思った。
松井くんは、ほんとはこんなダサいとか言われるような人じゃない。
はっきりとでもそう思う自分がいる。
それに……。
目はよく見えず、うっすらとしか見えなかった松井くんの笑った表情。
私は胸がざわついた。
なんだろ……。
懐かしいような、そんな感じがした。
でも、思い出せない私は考えるのをやめた。
それにしても、電気をつけたい。
このままじゃ、なにも見えないままだ。
私はゆっくりと立ち上がり、歩き始めた。
「三浦さん? どうしたの?」
「電気つけようと思って……」
どうしても、つけたい。
なのに、