【完】幸せをくれたあなたに。
全てはこの日から ─冬弥side─
これは、『これから』を変えてしまった中2の頃の俺らの話。
俺、雪村冬弥は昔から“ヤンチャ”だった。
髪を金髪に染めて、耳には数個のピアス。
規則を破る、だらしない服の着かた。
必ず、上から2つボタンを開けているくらいだった。
もちろん、先生には毎回怒られていたし、目をつけられていた。
だけど、最近は呆れたのか、なんにも言われなくなった。
俺には、うるさいことでしかなかったから、好都合だった。
必ず、どの先生も口をそろえて言うことは、呆れ口調で
「なんでお前は、そんなチャラチャラしてるくせに、周りには人が寄ってくるんだ」
と言う。
自分でもわからない。
気づいたら、俺の周りにはたくさんのダチがいて、ただそれだけで、楽しいと思える。