【完】幸せをくれたあなたに。
「ゆ、ゆき……くんっ! お、おはよ!」
「もうお昼過ぎてるけど?」
「……~~っ!」
顔をさらに真っ赤にしながら、“やってしまった”という顔をするこいつは、三浦琴。
「ぷはっ‼ 面白すぎんだろ」
ふんわりとした、茶色い髪。
白い肌に、細くて、ちっこい身長。
白い肌だからこそ、真っ赤になった頬が目立つ。
そんなこいつを、最近かわいいと思ってしまう俺。
おかしいよな……。
「ちょっと、ゆっきー! 琴をイジメないの」
三浦の代わりに怒ってきたのは、さっき三浦を起こしていた藤乃麻紀。
「悪かったって」
「もうっ!」
藤乃が呆れて、三浦を慰めに行った。
こいつは、保護者かよ! と思いながら俺も呆れていた。