【完】幸せをくれたあなたに。
「うん。覚えてるよ」
「そん時俺さ、イメージ壊しちゃったんだよな」
「なにか、したの?」
「ダサい奴なら、喧嘩とかしねぇだろ? でも、本気でぶん殴ったりしたんだ。もちろん与沢にも見られてたけど」
まさか……だからあの時藍那の頬が少し赤くなっていた……?
「でも、別に焦ったりしなかった。琴があんなに慌ててるの見るの久々だったから、さ」
なに、それ……。
まるで気にしてたみたい……。
……ん?
そういえば、さっきの話の中で私のこと好きとか……なんとか。
ええ!?
バっ! と雪くんを見る。
「おおっ。なんだよ?」
「その……さっきの話の中で、私のことどう思ってるとか……その」
なんて思い切って聞いてみると、雪くんの頬はみるみるうちに赤くなっていった。
「い、いや、その。……まあ、それ言うのまだ少し待って?」
少し真剣な顔をして、私を見た。
「わ、わかった」
私も恥ずかしくなって、俯く。