【完】幸せをくれたあなたに。




「藍那」


私は放課後前に、藍那を見かけると、すぐさま呼んだ。


振り返った藍那は


「琴!!」

驚いた声を上げた。

驚くのも、無理はないだろう。


学校では、色々と騒ぎがあったし、たくさんひどいことを言って突き放したのだから。


「あのさ、私藍那に伝えたいことがあるんだ」


そうだ。


ちゃんと、言うんだ。


私なりのケジメ。


私は、藍那と一緒に屋上に行った。



屋上に着いた時、私は大きく深呼吸をした。


「……自分勝手なのはわかってる。でも、私やっぱり藍那と友だちでいたい」

少し、藍那の反応が怖かった。

自分勝手な私。


だけど、藍那はウンウンって頷いてくれた。


「私も、だよっ……!」


よかった……。



そして、もう1つ言わなきゃいけないこと。


「私もね……、松井くんのことが……っ」


そう言った時だった。


「なんでよっ!!」


1人の女の怒鳴り声が聞こえてきた。


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