【完】幸せをくれたあなたに。
大嫌いな学校
委員長
「隣のクラスのあの子かっこいい〜っ!」
「実は私好きなんだよね……っ」
「私が信じてるのはアンタだけだよ!」
「ウチもウチも」
そんな言葉、いくらでも聞いてきた。
恋だの、友情だの、裏切りでしかない。
私は、三浦 琴(ミウラ コト)
高校1年。
先週、入学式が終わったばかりの春。
私は1人、満開に咲いた桜の木がある裏校舎に向かった。
最近で見つけた人気のない静かなところ。
私には友達がいない。
いや、いなくていい。
その言葉の方が正しい。
誰にも近づいてほしくない。
そのためだったら、私は学校で“ダサい女”として地味に過ごす。
胸より下にあるストレートだった黒髪だってボサボサで、
前髪が長く、目が隠れる状態でメガネをかけている私。
もちろん周りには
「アイツ、ダサくね?」
とか、
「絶対近寄りたくねぇ」
とか、
「マジ、キモいよね。ほんとブス」
そんなふうに入学早々、言われた。
だけど、私にとってはそれが好都合。