【完】幸せをくれたあなたに。
「とうや………?」
「っ……!!」
え……、無反応!?
「えっと……冬弥?」
恥ずかしいのをグッと堪え、呼び続ける。
「あー……反則だわ」
なんて言って、
「……へっ!? わ、きゃっ……! んっ……!?」
わわわっ……
「ま、まままままた! またキスしたっ!!!」
多分、私の顔は真っ赤だろう。
不意打ちに、雪くんがまたキスをしてきた。
あ……。
冬弥……です。
雪くんじゃない、んだった。
「ふっ。暗くなる前にそろそろ帰るぞ」
「う、うん。……って、ええっ!?」
「なんだよ? そんな叫んで」
「もうそんな時間!?」
時間たつの早すぎ!!
「いいだろ、別に。ほら、帰るぞ」
「う、うん。もうみんな帰ってるかな」
「帰ってるだろ。早くカバン取りに行くぞ」
自然と、私の手を掴んだ冬弥。
ちょ、ちょっと待って!!
私、こういうの慣れてないんだよ!?
どうせ、冬弥は慣れてるん……
えっ……?
あれ……。
慣れてるのかと思ってたけど、耳が真っ赤。
「ふふ」
「なに笑ってんだよ」
「ううん。なんでもなーい」
カバンを取って、私たちは学校を出る。
明日には、全部藍那に話そう。
藍那なら、聞いてくれるよね……?