【完】幸せをくれたあなたに。
心配 〜そんな感情〜
「んっ…ん?」
日差しの強い朝。
空が青く、重い身体を起こす。
寝ぼけた顔で目を擦りながら、チラりと隣を見る。
「ヒイッ!」
一瞬、頭の中がパニック状態になった。
いつもと違う風景。
そして隣にいる男の人……松井くんだ。
まだ眠っているようだ。
前髪が少し上に跳ね上がっていた。
少しずつ近づいてみた。
バクバクする心臓。
顔を覗いてみると、いつも見えない目が見えた。
目は閉じていたけれど、顔の整い立ちが凄く綺麗。
なんで……?
なんで私は松井くんを見ていると、このモヤモヤが消えないのだろう……。
そんなに、忘れてはだめな、なにかだったのかな?
メガネ、取ってみたい。
私は手を少しずつ伸ばしてみる。