【完】幸せをくれたあなたに。
──キーンコーンカーンコーン……
予鈴が鳴り終わってしまっても、教室、廊下、下駄箱はまだまだ騒がしい。
私はなんとか席に着くことができた。
でも、予鈴がなってしまっても松井くんはまだ来ていない……。
なにかあったのだろうか。
そんな時、まるで“当たり前”とでも言うように周りが私たちの悪口を言い始める。
「昨日の夜は、楽しい夜を過ごせましたかあ〜?」
「大スクープ!! 男女2人が密室!? なにか進展は!?」
「ついにヤっちゃたか?」
ゲラゲラと下品に笑う奴ら。
そんな周りの言葉を無視していると、
「あーあ。“ダサ男くん”にフラれて、ダサ子ちゃんショック受けてるよ」
なぜだろう……?
松井くんには、“ダサい”なんて言葉、やっぱり似合わない気がする。
なんて思ってる自分もいたんだ。