【完】幸せをくれたあなたに。
放課後になった頃。
「結局来なかったか……」
そう、松井くんは結局来なかった。
って、なに気にしてるの、私。
私が小さく呟いた時、
「おーい。三浦」
後ろから担任の先生が声をかけてきた。
「はい?」
「悪いが、今日休みだった松井ん家行ってきてくれないか? 委員の仕事なんだ」
「いいですけど、具合はどうか聞くだけでいいんですよね?」
「ああ。それから、松井ん家の住所をこの紙に書いたから。よろしく頼むな」
渡されたのは、小さな紙に急いで書かれたかのような文字。
「わかりました」
私はその紙を受け取り、先生からもらった紙を頼りに松井くんの家に向かった。