【完】幸せをくれたあなたに。
桜の花びらが散った頃、予鈴が鳴った。
ああ、学校なんて恐怖でしかない。
最初は行かなくてもいいや、なんて思っていた。
だけど行かなかったら、お母さんが心配するから。
心配させたくないんだ。
たかが、私のことなんかで。
私は、“1-A”と書かれた教室のドアを開く。
そして、お決まりのうるさい人たち。
──ドンっ!
暴れてたうちの1人が私の方へ背中を向いてぶつかってきた。
「わっ!」
驚いてつい声が出てしまった。
そのまま地面へ倒れてしまった。
「てめぇ、邪魔なんだよ」
ああ、面倒くさい。
ぶつかってきたのはそっちでしょ。
とも言えず、私は鞄を拾い、頭を下げて自分の席についた。